打楽🐷ぶ〜ろぐ

打楽器愛好者、曲淵俊介の身に日々起きる、打楽器に関する小言

オケ中のドラムス

先月より、オケの音教やコンサート、収録等でドラムセット案件を何件か。


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ドラムス自体は色々と学生時代から勉強を続けているんですが、個人的にオケ中のドラムスは特別でして。

オーケストラアレンジ(アコースティックアレンジ)なんかだと結構シンプルな譜面になることも多いので、技術的には中学生でも演奏できるほどのレベルにアレンジされる事もしばしば。

 

しかし侮ってはなりません。

 

一度オケ中に入るとトラウマは必至なのです。まず人数が多いですから、端っこの奏者同士は大変な距離があります。聴き合わなくては合わないとはよく言われますが、聴きすぎると発音が遅れたり、全体の音楽が重たくなってしまったり。。

本来はテンポキープや楽曲のニュアンスを生み出す大切な役割のドラムスが邪魔者になってしまうかもしれない。。!!!

 

そしてホールの残響問題。ホールというのは2秒程度の残響が残るため、細かい音を聞くのが楽ではありません。その際たるものがベースライン。ドラムスは音が大きいので、盛り上がるとベースは何も聞こえなくなることも。

基本は奏者の方々の腕の動きを注視しながら(上記の距離感の関係もあり、僕の元へ聞こえてくる音楽は超絶ズレてます、もちろんその逆も同じ)、これで合ってるはずやと自分に言い聞かせながらプレイ。

 

そして最後に、オケは弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器(時には声楽)の総合競技みたいなもので、楽器ごとに音の発音や性質が全然ちがうので(だからこそ混ざりあった時の響きが格別に)、そんなに小回りがきかない。

そんな時に誰よりも小回りのきくドラムが煽ったり追い越したりすると(よくやっちゃう)、演奏の邪魔でしかなくなるんだよね。

 

そんな訳で、オケ中のドラムは超絶に難しいと僕は感じている。

それでも日本には素晴らしいオケ中ドラム奏者の方が沢山いるので日々勉強させてもらって(実際に、そして気軽に観にいけるのは本当に大切なこと)、自分の仕事に還元していきたいと思う。

 

とか言いながらも、先日はしょうもないミスして、一発リテイク生み出して落ち込んでいます。

「あんなに練習したのにな」はしてないのと一緒。

「個人練習の時はうまくいくのに合わせるとできない」は努力が足りない。

 

終わった時は戻ってこない。しっかり自分の歴史に刻み込んで、次のチャンスに生かす。これが凡人の地道な人生なり。

 

さて、今回の勉強中にふと見つけた「Sing Sing Sing」の東京公演から。

こういうトガッた演奏、好きです。

1980年ってことで、ドラムスはクルーパではないんですけどね🙂