打楽🐷ぶ〜ろぐ

打楽器愛好者、曲淵俊介の身に日々起きる、打楽器に関する小言

演奏会を聴く。

先日は目黒パーシモンホールにて「クセナキスと日本」公演を聞きに。

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打楽器奏者の加藤訓子氏のプロデュースによる、オールクセナキスプログラムの公演(その時点でヤバい😬)。

小ホールではソロと小編成(開演前はインスタレーション)、大ホールでは開演前のロビーパフォーマンスにて「OKHO」、オープニングは加藤氏の演奏による「ルボンa,b」と能楽師とのコラボ、そしてメインは総勢18名の打楽器奏者による、「プレイアデス」全曲と、ホール全体を貸し切ったような大規模な公演だ。

聞いただけで目眩がするような内容であるが、どれも爆発的エネルギーがみなぎる、素晴らしい演奏であった。。

 

高橋アキ氏の演奏による「ピアノのための6つの歌(シャンソン)」は一見シンプルな和音で構成されているように見えつつも、特有の無理難題が散りばめられ、今後の創作内容を感じさせる、クセナキス最初期の作品の一つだ。そして、20年後に作曲された、まさにTheクセナキスといった対照的内容の「エヴリアリ」。音の雲に全身包み込まれるような音世界の中で、大地を揺るがすようなビートが印象的であった。初演当初は議論を巻き起こしたようだが。。。。

般若佳子氏(ヴィオラ)の「エンベリ」は超絶技巧がこれでもかという程に見せつけられ、その中で歌心や、細部の明瞭さに圧倒された。

終幕は邦楽アンサンブル(木村麻耶(箏)、LEO(箏)、本條秀慈郎(三絃)、長谷川将山(尺八))による「入陽」。

それぞれの研ぎ澄まされた音色が混ざり合い、さながらトランスミュージックのよう。そして(邦楽の知識がないのだが、、)超絶技巧の中で、アイコンタクトを取りながらアンサンブルをするライブパフォーマンスには聴衆も大きく惹き込まれていた。(この動画の公演より、一層ライブ的な演奏であった。。。!!!!)

 

つい最近僕も演奏している「OKHO」は、自分たちの解釈とは正反対の正確で堅実な演奏で、新しい世界が見えたし、加藤氏のルボンはオリジナリティと生命力に溢れた、他では見る事のできない演奏だった。

 

何より「プレイアデス」のバランスの行き届いたパフォーマンスにテンションは最高潮になってしまった。

ジクセン(鉄を調律して並べた、このクセナキス独自の楽器、冒頭参照)の響きも痛々しくない、とても澄んだもので、心地が良い程だった。

 

実はこのプレイアデス、僕も9月に全曲公演が予定されている。大変な難曲だが、今日の素晴らしい公演を聞き、少しばかり希望を持つことができた。CDやDVD、Youtubeでは到底持つことは出来なかっただろう。。。

 

やはり、演奏は全身で浴びないとね!

 

ちなみに、諸事情により、この日の前日はどうしても殆ど睡眠時間が取れず、いくら大好きなクセナキスとはいえ、、途中で力尽きる事が不可避か?と思い、午前中の定例レッスンの生徒さんを、起こし要因として無理矢理連れてくるという暴挙に及んだのだが、結局一切眠気の文字はないくらい楽しむことができた。Hさん、ごめん(いや、このお方も相当楽しんでいたので、良しとするか🤬🤬🤬ヒドイ)

最高の演奏会が終わり、全身で聴いていたので、帰路にてどうにもできない程の眠気に倒れた事は言うまでも。。ナシ。。。。。😇