PHONIX Marimba Orchestra Ⅶ
自粛期間も9月に一段階の区切りを迎えて、少しずつ外に出る機会も増えてきた。
9月20日に上野信一&フォニックス マリンバオーケストラの7回目の定期演奏会を終え、この約半年間、クローズドのコンサートは少しはあったものの、中サイズ以上のホールでフルでコンサートを行うのは久しぶりだったし、なによりいつもの素晴らしいメンバーと再会できる嬉しさの中、約1週間のリハーサル。
今回の楽曲は過去のコンサート毎、グループが委嘱をしてきたオリジナル作品のみを再演する企画で、どれもコンサートのメインにふさわしいような楽曲ばかり。
しかも作曲家は西村朗、木下牧子、新実徳英、石島正博、後藤洋、奥定美和、各氏錚々たる面々の作品たち。
西村朗氏の作品「KITORA」は今回のコンサートが日本での初演となり、昨年の上海での公演の際に北京の中央音楽院の学生とフォニックスメンバーの共演が世界初演であった(爆発のような演奏だった)。
一つ一つの楽曲が、まるで違う性格をもっていて、それでいて超難曲。練習するのも一苦労だが、音楽自体がシビアで音響的にもバランスを重視しなくてはならないので、合わせるのはもっと大変!メンバーの絆があらためて感じられる1週間であった。しかも昼夜2公演という、今時スポーツ漫画でもお目にかかれないぜ、ってくらいの超過酷な1日(サイコー!)。
リハーサルでは上野信一先生、そしてゲネプロでは作曲家の皆様のアドバイスの中で、曖昧になっていたことが次々に解消され、作曲家と同じ時代を生き、同じ空気を吸いながら、書かれている楽譜をより深く学ぶことの大切さにあらためて触れる。メンバー一同、お互いの技術の限界に向かい合いながら、可能な限り作曲家の注文に反応していく。最上級の幸福を感じることができた。
本番では、皆久しぶりの定期ということもあり、叫びのような演奏になった。
未熟奏者ながらも、やはり本質的な音楽家の居場所はステージにあり。ということを、再確認したのであった。
今回のこの感覚、そして反省点を、来年の定期、いや今後の音楽活動に向けてのモチベーションにすることにして。
<今回は感染予防ガイドラインの関係でVimeoによるオンライン配信も行っている。
こちらからオンラインチケットの申し込みができるので、ご興味があれば。
10月23日まで何度でも視聴が可能!
http://phonix.nows.jp/shinitiueno/concert/2020/08/28/720/
各曲ごとの苦悩の日々、こっそり書いていきます。備忘録として(絶対忘れないくらいキツかったような気もするけど!)・・・・