打楽🐷ぶ〜ろぐ

打楽器愛好者、曲淵俊介の身に日々起きる、打楽器に関する小言

西村朗ティンパニコンチェルト

12月頭に、とある方のソロCDレコーディングに参加した(リリース情報が出てから詳細はアナウンス)。曲は西村朗ティンパニコンチェルト。リンク&初演はパーカッショングループ72。

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同氏の打楽器作品としてはずいぶん前の作品だが、最近の作品に比べるとより打楽器的な印象の作品だ。空間的なアプローチも多く、静と動のコントラストも非常に明確で聴きごたえは抜群。終盤は西村氏特有の旋法を各楽器が担い、激しく均等なリズムの中で、ティンパニの爆発的な演奏の中幕を閉じる。

僕のパートはマリンバとスチールパン、そして4つのゴングだ。


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レコーディングは丸一日をかけてじっくり行った。色々なアプローチやセッティングで聞こえ方を試しては録り、試しては録りを繰り返す。リハーサルでやってきた事が、この録音に反映されるか一同が試される一日。時には思い描いたものに中々近づかず、苛立ちがぶつかり合う一触即発の場面も。

普段レコーディングより舞台音楽を演奏するため、つい大ホールや中ホールなどを意識したセッティングや演奏になってしまいがちだが(もちろん完成品としては、それは前提なのだが)、マイクを通した音の最適なセッティングは、必ずしも演奏会用のものとは異なるように感じる。特に感度のいいマイクほどちょっとした角度の違いや、セッティングで音楽が別物のように変わる。

コンサートやライブ録音とは違い、いかに頭の中で思い描く音楽を再現できるか、を時間をかけて試せる貴重な場となった。

最終テイクまで何十回試行錯誤を繰り広げたか分からないが、疲労困ぱいの中に清々しい想いがこみ上げる。

青春映画なんかでライバル同士が喧嘩して、ボロボロになって笑ってるみたいな感じ?(意味不明)

 

今できる全てを注ぎ込んだ作品が、最高にいいものになることを願う。