打楽🐷ぶ〜ろぐ

打楽器愛好者、曲淵俊介の身に日々起きる、打楽器に関する小言

成長は突如として

数年前から打楽器を教えに行っている高校の、専攻学生のコンクールに付き添った。

フレッシュな1年生でまだ中学生の面影も残る彼だが、この2ヶ月で驚くべき成長を遂げた。技術ももちろんだし、音楽的にも深みが増した。まさに別人のような演奏を披露したのであった。

彼だけでなく、10代の成長のスピードには日々驚くばかり。先入観のない脳がそうさせているのか(結構核心的な発言をとっさにしたりする)、身体的に研ぎ澄まされているとか(階段を猛烈なスピードで走って上っていくのをよく見かけるし?)、理論的なことは全然わからないのだが。

 

ふと僕の10代の頃を思い出す。恐らく他の学生とかなり違っていた。特に専門的に勉強を初めたばかりの、大学の恩師を紹介して頂いた時は、コミュニケーションが取れない、人と話せない、正直挨拶さえ出来ない人間だった。

その時の恩師から見た印象は、かなりの重症で、目も合わない、この子は大変だな、と思ったと後に仰っていた(本当に長きに渡ってお世話になったのだが.....)。

 

打楽器の技術も同じく、まず理解するまでにものすごく時間がかかるし、出来るようになるまでには膨大な時間を要した。何度言っても出来ない、そんな状況が続いた。

ただ一つ、当時の自分にとってプラスだったことは、田舎で同世代のライバルがいなかったこと。目標が先生しかいなかった事で、ある程度リラックスしながら、ゆっくり時間をかけて自分の基礎力を身につけることができたのかもしれない。

 

こうして思い出しながら、壊滅的に不器用な10代であったが、それでも今の2ヶ月と、16才の頃の2ヶ月ではまるで時間の流れが違うなと痛感する。というか今の2ヶ月なんて一瞬位の感覚。それでも未だに、出来ることはないかと必死にもがく今日この頃です。

 

まだ当時を思い出して、「あの頃は若かったなあ〜」とか、「何でもできたな〜」とか回想する段階までは人生のキャリアを積んでいないけれど、それでも今の10代の皆さんを前にして、色々と一丁前に若さについて語るところまでは来たということか。

 

彼や他の生徒が、どんな10代を過ごすのか、そしてどんな人生を送っていくのか、非常に楽しみだ。僕は自分の出来る限りの技術を教えつつ、見守りながらも、少しだけ若いエネルギーを分けてもらって、自分と向かい合う力の手助けにさせてもらおう。よーし負けてらんないぞ(上りの階段で息切れた...)!!